 |
鹿児島県の財政状況は,極めて悪いと聞いていますが,大丈夫でしょうか。 |
 |
 |
私は,4年前の知事就任後,直ちに,鹿児島県の行財政の大胆改革に着手し,財政再建団体への転落を回避し,財政構造の弾力性を回復するためのプランとして,平成17年3月に「県政刷新大綱」を策定しました。現在,この大綱を踏まえた財政運営を行っているところです。
大綱では,「人件費」,「普通建設事業費等」及び「一般政策経費」の3つの歳出項目を中心にあらゆる歳出項目の厳しい抑制や,更なる収入確保に取り組むことにより,財源不足額の圧縮に努めるとともに,県債依存型の財政運営から脱却するため,県債発行を抑制し,県債残高の減少することとしており,その実現に向け,必死の努力を行っています。
大綱策定前の451億円の財源不足額を,平成20年度当初予算においては,157億円まで圧縮し,この4年間で294億円の収支改善を行うことができました。
平成20年度当初予算については,大綱策定前の平成16年度と比較すると,一般財源ベースで,「人件費」については,大綱で定めた8~13%圧縮の方向性に対し,10.6%の減,「普通建設事業費等」については,同様に30~50%圧縮の方向性に対し,38.8%の減,「一般政策経費」については,20%圧縮の方向性に対し,22.0%の減となっています。
また,県債残高については,平成20年度末の県債残高見込み(平成20年度当初予算時点)は,平成16年度末残高と比較して61億円の減となっています。
地方財政を巡る状況は,未だ多くの課題がありますが,今後とも,引き続き,歳出削減や歳入確保の努力を行うことにより,財源不足額の圧縮に努めるとともに,歳入・歳出バランスの取れた,将来にわたって持続可能な行財政構造の構築を目指していきます。 |
 |
財政が悪くなって色々な行政サービスが削減されることが心配です。
歳出カットの基本的考え方について教えて下さい。 |
 |
 |
鹿児島県の財政は,引き続き極めて厳しい財政環境に直面しており,平成17年3月に策定した「県政刷新大綱」に基づき,歳入・歳出両面にわたる徹底した見直しを行い,「あるべき歳出構造」の実現に向け,懸命の努力を続けています。
具体的には,①職員数の縮減,職員給の見直し等による人件費の圧縮(目標8~13%),②一層の峻別と重点化による普通建設事業費等の圧縮(同30~50%),③これまでの取組から更に踏み込んだ事務事業の見直しによる一般政策経費の圧縮(同20%)等により歳出削減を図っています。
20年度からは,知事が25%,職員の皆さんにも5~6%の給与カットをお願いしていますが,給与カット等によって生じた財源をもとに県民に必要な行政サービスの確保に努めていると言ってもよいでしょう。
私が就任してからも相当額の歳出抑制(平成16年度当初予算 8,571億円,平成20年度当初予算 7,722億円)を行っていますが,県民生活に直接影響を及ぼすような項目について削減を図ったことはありません。むしろ,生活バス路線の再編に伴う県からの補助金の増や後期高齢者医療制度の導入に伴う県の支出金の増,大隅児童相談所,救急用ヘリポートの整備,小児救急電話相談の開始など必要な予算は的確に計上しています。
もちろん,従来の事業を見直す形で必要なサービスを確保しているものもあります。離島の健康診査については,従来,移動保健所として県が直接実施していましたが,これを必要な人材(保健師等)の派遣など,三島・十島への技術支援を行う形で必要なサービスが受けられるようにしています。
厳しい財政状況の中にあっても,県民生活に直結する医療福祉等の予算は今後とも十分に確保したいと考えています。 |
 |
医師や看護師の不足が指摘されていますが,
これからどのような方策を講じることとしているのでしょうか。 |
 |
 |
鹿児島県では,離島・へき地をはじめとした地域的偏在や小児科・産科等の特定の診療科における不足など,医師不足が顕在化しています。また,看護師についても,医療・看護の高度化・専門化をはじめ,高齢者への在宅看護など看護需要の増大が予想され,看護師不足は,今後もしばらくは続く見込みです。
医師や看護師の確保については,これまでも,自治医科大学卒業医師の活用や,県内で医療に従事する意欲のある医学生・看護学生のための奨学金制度をはじめとした様々な取組を行ってきました。
また,昨年度における種子島で唯一の産婦人科医院の閉院に際しては,県としても県医師会等との連携を図るとともに,医療機器の貸与などの支援を行うこととした結果,後任の産科医確保がなされたところです。
平成20年度からは,さらに重点的に医療従事者の確保対策を展開することとしており,医師確保等に必要な財源を安定的に確保するための基金を設置し,鹿児島大学医学部入学生に対する奨学金の対象者数を大幅に増やすとともに,同大学医学部5,6年生に対する奨学金制度を創設するなど,地域医療を担う医師の育成を図ります。さらに,県外に居住する医師を募集し,公的医療機関等に対して派遣又は斡旋を行う県ドクターバンクの設置や,医師にとってキャリア形成につながる魅力あるプログラム策定等による医師のU・Iターンや県内定着の促進,女性医師の再就業支援等の対策を行います。
看護師についても,病院内に設置されている保育所の運営費に対する支援や,再就業につながるための研修体制を整備するなど,働きやすい職場づくりや職場復帰支援のさらなる充実を図ります。
今後とも,県医師会,県看護協会,鹿児島大学,市町村などと緊密な連携を図りながら,医師や看護師の確保に取り組んでいきます。 |
 |
21世紀は地球環境の時代と言われています。
鹿児島県は環境先進県として,どのような取り組みを予定していますか。 |
 |
 |
「環境」は21世紀のキーワードです。
このまま,地球温暖化が進めば人類の生命がおびやかされます。世界の人々が連携して地球を守る必要があります。
鹿児島は,「環境先進県」として,地球を守る低炭素社会の実現に率先して貢献するとともに,地球にやさしい循環型社会の形成や豊かな自然環境を生かした取組を展開します。
温室効果ガスの排出に取り組むため,「地球温暖化防止条例」を制定するほか,県と企業が協定を結んで環境保全活動を行う「かごしま環境パートナーズ制度」の創設や,年間を通じてエコライフに取り組む「エコライフデー」を設定するほか,民間団体が実施する温暖化対策のための普及啓発活動への支援などを行うこととしています。また,太陽光発電や風力発電,バイオマス発電など,新エネルギーの導入を促進します。さらに,世界遺産の屋久島を「CO2フリーの島」とする試みを行うなど,モデル性や発信性の高い取組を推進します。
また,県民一人当たりごみ排出量の10%削減を目指すとともに,最新の技術により安全性の高い全国でもモデルとなるような公共関与による産業廃棄物管理型処分場の整備に取り組みます。
さらに,体験型の環境学習の推進や人材の育成に取り組み,恵み豊かな自然環境の継承と子どもたちの豊かな心の醸成を図ります。また,アマミノクロウサギなど希少野生生物の保護や自然生態系保全のため野生化ヤギからの被害防除と併せ,奄美群島の世界自然遺産の早期登録に向けた取組などをさらに推進し,本県の生態系の持つ「癒し」などの情報発信に努めます。
こうした取組を通じて,「環境先進県・かごしま―人と自然が調和する地球にやさしい社会づくり」を進めます。 |
 |
「安心・安全・新食料供給基地」の立場を今後とも維持すべきであると思います。
これからの農政の展開をどう図るのでしょうか。 |
 |
 |
食料の確保は改めて,時代の大きな課題になっています。日本の農業の転換期にあって,今こそ,我が国の食料自給率の向上も視野に入れて,農林水産業を守り育てる対策が必要です。鹿児島県の農林水産業の振興と「安心・安全・新食料基地」の形成を図っていくこととしています。
これまで,「かごしま食と農の県民条例に基づく基本方針」や「食と農の先進県づくり大綱」などに基づく各般の施策を積極的に推進してきています。これらの取組により,農業産出額が2年連続で全国第2位となるなど,本県農業はまさに本県の基幹産業としての地位を占めています。
さらに,現下の国際的な食料事情等を踏まえ,国民全体に対する食料の安定供給も視野に入れ,安心・安全な生産を基本に,関係機関・団体と協力して,生産・加工・流通・消費にいたる施策を一体的に展開し,県の農業産出額の20%アップ,食料自給率100%を目指します。
このため,①新規就農者や認定農業者など「担い手」の確保・育成やさらなる大規模経営の育成,②畑かん事業の着実な推進とこれを活用した茶や野菜などの生産性の高い産地の形成,③「鹿児島黒牛」「かごしま茶」などの全国ブランドへの育成,④畜産における自給飼料の増産や国産飼料の供給体制の構築,⑤野菜などの安定的な販路拡大に結び付く実需者との契約栽培の促進,⑥耕作放棄地の有効活用,⑦地球温暖化に対応した新たな品種育成などに関する試験研究の充実強化⑧水産資源の管理とつくり育てる漁業の推進,⑨タケノコ,シイタケなど特用林産物の生産振興,⑩アジア地域への展開や食品関連産業の育成などにより,「安心・安全・新食料供給基地」の実現を目指します。 |
 |
「マリンポート」は公共事業優先の典型的なケースです。
マリンポートは,どのような考え方の下に整備を進めているのですか。 |
 |
 |
マリンポートかごしまについては,「既に着工済みの工事以外の部分について,新たな事業着手を停止し」,「特に上屋の計画については社会ニーズを踏まえ大胆な見直しを行う」ことを前回のマニフェストでお示しいたしました。
知事就任後,直ちに,マリンポートかごしまの在り方検討委員会を設置し,約一年間かけて議論をしていただきました。同検討委員会からは「マリンポートかごしまの当初計画に掲げられた利用目的を整理して,大型観光船の寄港拠点及び防災拠点としての機能整備を中心に計画の見直しを求める。具体的には,大型ヘリポートや緑地広場のほか,避難民の受け入れ,救援物資保管等のための建造物の設置が必要である」との提言をいただき,さらに県議会でも御論議・御意見をいただきました。
その提言等を総合的に勘案して,「1期事業の埋立については,今後とも継続して実施し,県民や観光客が,憩い,海と触れあえる緑地空間として整備するとともに,災害が発生した場合の対応空間として活用する」との整備方針を決定し,これに基づき整備を進めているところです。
仮に,マリンポート事業を中止するとなると,補助金の返還,施設除去に伴う防災工事費など,少なくとも百数十億円の一般財源が直ちに必要になるとともに,これまでの投資が全くムダになります。一方,マリンポートには平成17年までに既に約190億円の事業費が投入されており,あと30億円の一般財源を投入すれば,24ヘクタールの公共空間(埋立地)ができあがります。限られた財源を有効に活用するためには,1期事業の埋立を完成させて,その埋立地を有効に活用することが,財源の節約にもなります。
昨年9月,マリンポートかごしまの1期1工区の供用開始以来,多くの大型観光船が訪問するとともに(平成20年は約40隻のクルーズ船の寄港が予定されています),既に50万人を超える方々が訪れており,県民・市民に愛される有益な緑地空間として活用されています。
マリンポートかごしまは,錦江湾の資源を生かした観光の振興やアジアの時代の交流拠点の形成,鹿児島市の都市全体の発展,災害対応空間及び緑地空間の向上を図る上で,将来,重要な施設となるものと考えます。
|
 |
財源不足の中で,県庁東側の土地を10億円以上もかけて取得しました。
もう少し,福祉や教育に重点をはかるべきではなかったでしょうか。 |
 |
 |
県庁東側の土地については,公共用地の拡大に関する法律(公拡法)の規定に基づいて,鹿児島県に購入の意向打診がありました。一定規模以上の土地の売買については,地方公共団体にその取得の意向を確認することになっています。
①この土地は県庁のいわば隣接地であり,将来,公用・公共用地として有効活用が見込まれる土地であること,②県庁舎は県民のシンボル的建物として極めて長期にわたって使用する県民共通の財産であり,県庁舎やその周辺は,多くの国内外の要人・観光客・県民が訪れるところであることから,県庁周辺の景観を最大限守っていくことは,将来の世代に対する我々の課題と責任であること,③鹿児島市が国際観光都市を目指す観点からも,主要な公共施設周辺の景観が良好に保持される必要があることから,購入を決定したものです。
購入に当たっては,鑑定評価は12億9千万円でしたが,それよりも低い価格で取得いたしました。また,この土地を購入する財源としては,公用・公共用地を機動的に先行取得するために設置された土地開発基金で購入したもので,当時現金で保有していた約25億円のうち11億4千万円が土地に振り替わったものです。この土地を購入したため福祉や教育の財源が圧縮されるようなことは全くありません。さらに,
購入後は,駐車場として暫定的に利用していますが,もしその金額を預金した時の預金による利回りよりも既存では高い収益を確保しています。
この土地の将来の活用策としては,本県での次期国民体育大会の開催もにらみ,新たな総合体育館,武道館,弓道場の整備についてのグランドデザインを作成する中で,民間の土地を含む県庁東側の土地の一体的な利活用を検討していきたいと考えています。
|
 |
鹿児島県の産業構造が脆弱です。今後の産業活性化にどう取り組むつもりでしょうか。 |
 |
 |
鹿児島県の産業構造は,平成17年度の県内総生産の構成比で見ると,第一次産業が産業全体の4.5%,第二次産業が118.8%,第三次産業が76.7%を占めています。全国平均と比較すると,第一次産業が4倍のウエイトを占める一方,第二次産業のうち,特に製造業は約6割と低くなっています。
このような産業構造のため,有効求人倍率も0.58倍(平成20年4月)と全国でも低いグループに属しています。
今後,本県の産業構造の強化を図るためには,全国的に見て低い水準にある製造業を中心とした産業の振興を図る必要がありますが,本県の製造業は,業種別製造品出荷額では,豊富で多様な農畜水産物を背景にした①食品関連産業(食料・飲料)が約5割を,また,昭和40年代以降にエレクトロニクス関連の先端技術産業が立地したことなどもあって,半導体等の②電子関連産業が約2割を占めており,この2つの産業が本県の製造業を牽引してきました。
これからも,これらの産業を一層強化していく必要がありますが,情報や経済がグローバル化する中にあっては,これらに加えて,今後,九州域内での波及効果が期待できる③自動車関連産業や,今後成長が期待される④情報通信関連産業,⑤新エネルギー・環境関連産業などの産業振興も図る必要があります。
アジア経済が急速に展開する過程で,アジアに一番近い本土の県として産業構造の変化に伴うニーズを的確につかむことによって,新たな発展の可能性が広がると考えています。
このようなことから,この5つの業種を企業立地や事業高度化を重点的に促進すべき業種として位置付け,市町村や関係機関等と連携しながら,企業誘致活動や地場産業の技術の高度化,人材の育成・確保,農商工連携,地域資源を活用した新たな産業の創出などに取り組み,産業の活性化を図ることにしています。
また,本県の基幹産業である農林水産業の振興,魅力ある観光地づくり等による観光産業の振興にも積極的に取り組んでいくこととしています。
こうした産業おこし・産業活性化により,新たな雇用が生まれ,多くの人々がふるさと鹿児島で,その能力を生かしながらいきいきと活躍し,仕事と生活の両面において豊かさや生きがいを実感できる社会の形成を目指していきます。
|
 |
鹿児島県には,多くの年寄りが一人で,また,夫婦二人で生活しておられます。
医療制度を含めて,このような人々に対して十分なケアがなされているのでしょうか。 |
 |
 |
高齢者の方々が住み慣れた地域や家庭で生きがいを持って,すこやかで安心して暮らせるよう,各種サービス基盤の確保や介護サービス等の質の向上を図っていくことが必要です。
このため,介護サービス基盤については,それぞれの地域の具体のサービス内容等の現状を改めて見直し,地域の実情と特性を念頭においたサービス基盤の確保に努めていきます。
医療提供体制については,在宅療養支援診療所などの確保とともに,在宅医療の提供を容易にする支援体制が必要ですので,地域の実情にあった医療提供体制の確保に努めるとともに,医療機関相互の連携体制の構築や訪問看護体制の強化などを図ります。
また,日常的な見守りについては,高齢者の日常生活を支える重要な要素となるため,高齢者や障害者など援護を必要とされる人々ができる限り住み慣れた家庭や地域の中で安心して暮らしていけるように,地域ぐるみで安否確認や声かけなどを行うなど一層の体制整備などに努めます。
なお,後期高齢者医療制度については,今後,医療費の増大が見込まれる中で,世代間の負担を明確にし,医療費の適正負担や,財政運営の安定化と責任主体の明確化を図るべく導入されたものですが,医療保険制度として極めて複雑な制度となっており,様々な課題が指摘されています。国においては,この制度の適切な運営を図りつつ,あるべき制度の構築のため,今後も見直しを行う必要があると考えますが,国が制度設計者として十分な責任を果たすよう強く求めていきたいと思います。
|
 |
「子は宝」と言います。
急速な少子高齢化の中で,子供を大切にする社会が求められています。
鹿児島県として子供たちをどのように育てるのか教えて下さい。 |
 |
 |
少子化対策は,我が国最大の課題です。また,鹿児島県の未来を明るいものとするためには,ふるさとを担う人材である子ども達の健全な育成が不可欠です。
そのため,安心して子どもを生み育てられる環境づくりを進めるため,行政,企業,地域が協働して,結婚・出産・子育てを支援する体制づくりを進めます。
また,妊娠・出産から新生児に至る高度専門的な医療を効率的に提供する周産期医療体制や各地域において子どもの症状に応じた適切な対応が可能な小児医療提供体制を整備します。
さらに,子育てに不安や悩みを抱える保護者の相談窓口の充実・強化を図るとともに,県・市町村の各種相談機関のネットワーク化を推進します。併せて,多様なニーズに対応したきめ細かな保育サービスや放課後児童クラブ等などの充実を図ります。特に,第3子以降の保育料等について,市町村と協力して,無料化を含めた減免制度を設けるなど子育て家庭の負担の軽減に努めます。
また,子どもたちの教育は,将来の社会を担う人材を育成するという最も重要なテーマの一つです。
私は人づくりを県政の基本に据え,本県の特色である豊かな自然,教育的な伝統や歴史,地域の文化や人材等の教育的資源を生かした教育を積極的に展開し,幼児期から青年期に至る各段階で一人一人の個性を大切にしながら,ふるさとを愛し世界に通ずる人づくりを進めていきたいと思います。
特に,郷中教育の伝統を踏まえた「かごしま地域塾」の取組の充実や地域社会に蓄積された様々な知恵の活用を通じて,鹿児島らしい地域社会の教育力の充実を目指します。そうした取組の中で,家庭や地域が一体となって,人間性の形成期にある幼少期の子どもたちに対する教育も進めます。
こうした,社会全体で子育てを支えようという意識の浸透を図りながら,子どもを健やかに育てられる地域社会づくりや教育体制の整備を図ります。
|
 |
市町村合併についての基本的考え方を教えて下さい。 |
 |
 |
地方分権の時代に対応して,一定の規模・能力を備えた市町村をつくるため,それぞれの地域における自主的な市町村合併を推進してきました。
本県においても,96市町村が半分以下の46市町村(18市24町4村)になっています。全国では,3,232市町村(平成11年3月末)が,現在
1,788市町村(平成20年5月末)となっています。
合併の過程では,いろんな難しい問題を市町村間で自主的な話し合いで解決・調整して頂いたことを感謝しています。
合併特例法(新法)の下で,県は自主的な市町村の合併の推進に関する構想を策定することになっていますが,平成18年3月に策定した本県の合併推進構想においては,日常生活圏や広域行政圏のつながりを踏まえた上で,①旧法の下で合併した市町村の一体性の確保を優先する,また,②奄美・離島地域については,当面,1島1自治体の実現を目指すなどの考えに基づき,合併することが望ましい具体的な組合せとして7地区18市町村を構想として示しています。
これからの合併については,その市町村の今後の行財政運営についての見通しや,これまでの市町村合併の検証や道州制導入の際の基礎的自治体のあり方などを考慮し,引き続き,地域の将来のあり方について,市町村の議会や住民を交えて,真剣に検討していただくことが最も必要です。
市町村の合併は,市町村の自主的な判断に基づいて行われるべきであると考えており,県はこれまでと同様に具体的な合併についての勧告等をする予定はありませんが,市町村の要請があれば,段階に応じて各種助言に努めるなど,自主的・主体的な合併を,引き続き支援していくこととしています。
|
 |
道州制についての考え方を教えて下さい。 |
 |
 |
道州制は,現在の府県制を廃止し,国の役割を,国家が存在し成り立っていくために必要なものなどに重点化し,内政に関するほとんどの権限を地方が担うという,「地方分権の最終的な姿」であると考えています。
道州制については,既に第28次の地方制度調査会で一定の取りまとめがなされており,また,現在,政府の道州制ビジョン懇談会のほか,九州知事会と経済団体等で構成する九州地域戦略会議などにおいても,様々な検討がなされておりますが,今後,国民的なレベルで様々な論議を深めていく必要があります。
道州制は,国と地方の両方の政府のあり方を再構築しようとするものであり,国のあり方を含め,国の統治システムの観点から,総合的な議論が必要です。 また,道州制を導入するにあたっては,法制度や税財政制度などの整理すべき課題もあります。国の地方支分部局の整理も現実的には大きな問題です。
道州制は理想の姿としては,地方分権の最終的な姿でありますが,やり方によっては国の行財政改革の地方への一方的な押しつけや,国,地方を通ずる歳出の急速な削減につながる恐れがありますので,今後,地方の立場に立った道州制論議がなされるよう,しっかり主張していきたいと思います。
また,市町村に対する県からの権限移譲等の推進により,地域の中核となる10万都市を育成し,県都鹿児島市と相互に連携し合うネットワーク型の県土を形成するなど,道州制に移行しても県内のあらゆる地域が十分に活性化しうるような県土構造の構築に努めていきたいと考えています。
|
 |
ふるさと納税が話題になっていますが,どのような仕組みになっているのですか。 |
 |
 |
ふるさと納税は,生まれ故郷に限らず,応援したい県や市町村に寄附すると,その金額や所得等に応じて税が軽減される制度ですが,もともとは東京・大阪などの大都市と地方の税収格差の是正という問題意識から創設されたものです。
このため,本県では,県と市町村がそれぞれ行政経費を掛け合って寄附金獲得競争を行うのではなく,県と県内の全市町村で「かごしま応援寄附金募集推進協議会」を作り,一体となって県外の大都市に居住する本県関係者等の方々に寄附金の募集を行うこととしたところです。
協議会のパンフレットなどには各市町村の寄付金の使途も明示します。その上で寄付金は,個人住民税所得割の税率(県4%,市町村6%)などを踏まえ,その6割が市町村へ配分されます。寄付者が特定の市町村を指定された場合は,その市町村へ配分され,市町村によっては使途をご指定いただけます。
なお,特定の市町村に全額寄附したいというご意向がある場合は,協議会を通さずに市町村へ直接寄附することも可能です。この場合は,寄附されたい市町村の窓口へ直接お問い合わせいただくことなります。
寄付金をしていただいた方は,所得税と個人住民税の軽減を受けることができます。その税の軽減額は,所得税と個人住民税で合わせて「寄付金額-5千円」が基本ですが,おおむね個人住民税所得割額の1割が上限となっています。
|
 |
「本物。鹿児島県」というキャッチコピーを聞きますが,何が本物でしょうか。
そして,それをどのように他の地域にPRしていくのでしょうか。 |
 |
 |
鹿児島県は,豊かな自然や個性ある歴史・文化,多様な人材,豊富な食材など,まさに「本物」の素材に恵まれ,誇るべき,力みなぎるふるさととして,「本物。鹿児島県」として存在しております。
昨年は,一年を象徴する言葉一文字を,京都清水寺の貫主は「偽」(いつわり)と書かれました。時代の「偽」という言葉に真っ向から対決する「本物。鹿児島県」を選んだところが,鹿児島の心意気の高さだと思います。
現在のように,特に時代の変化の激しいうねりの中にあっては,鹿児島の可能性を強く信じ,「鹿児島が動くと日本が変わる」という強い気概をもって,新しい未来に果敢に挑戦できるステージ,「本物。鹿児島県」を広くPRしていきたいと考えております。
県外の皆様には,本県にぜひ足をお運びいただき,本県の魅力ある「本物」に触れ,心から元気になって,鹿児島を好きになってお帰りいただきたいと思います。そして,他の人にも鹿児島の素晴らしさを伝え,広めていただき,また,沢山の方に訪れていただきたいと思います。
|
 |
鹿児島県について自信をもっていること,他に自慢したいことについて教えてください。
また,鹿児島の将来の可能性について,どうお考えですか。 |
 |
 |
鹿児島県は,南北600㎞に及ぶ広大な県土の中に,世界自然遺産に登録されている屋久島をはじめとする特色ある島々や,桜島,錦江湾など鹿児島ならではの豊かな自然・景観に恵まれています。
そこには,世界に類を見ない指宿の天然砂むし温泉や霧島をはじめとする良質で豊富な温泉,鹿児島黒牛やかごしま黒豚などの多彩な食,本場大島紬・川辺仏壇・薩摩焼などの伝統的工芸品や本格焼酎・黒酢をはじめとする特産品など,心も体も元気にする多様な魅力にあふれています。
また,明治維新の原動力となった西郷隆盛や大久保利通,現在放映中のNHK大河ドラマの主人公「篤姫」などの多くの人材を育んだ個性ある歴史・文化を有しています。
さらに,鹿児島県は,大手通信社の行った調査によると,日常生活,医療,生活環境,文化など,暮らしや環境についての評価を総合的に分析した結果,全国で最も住みやすい県としての評価がなされています。また,連帯感のある地域社会が残っています。
大きな時代の変革期にあって,現在,21世紀における人類の共通課題である「環境」,「食料」,「医療・福祉」への重点的な対応をしながら,「いつでもどこでも誰もが生涯を通じて安心して暮らせる安全な社会(安心・安全)」,「暮らしやすい生活環境と足腰の強い産業基盤が築かれた快適で活力あふれる社会(活力・快適)」,「すべての人がともに築き支え合う優しく温もりのある社会(共生・有徳)」の3つの視点を基本に据えて,本県の多様で豊かな自然環境と食文化,東アジアに近接する地理的条件など本県の特性を十分に生かした取組を進めていくことによって,「日本一のくらし先進県」としての本県は,将来に向かって,大きな可能性を有していると考えています。
|
 |
鹿児島の女性は立派な人が多いと聞いています。
そうした女性の活躍の場をどう開き,豊かな人生を切り開いていくのでしょうか。 |
 |
 |
女性が活躍している社会は,明るく,朗らかで,頼もしい社会であり,女性が仕事や家庭生活,地域生活などあらゆる場で活躍している社会を実現することは,「日本一のくらし先進県」づくりにとっても,大変重要なことです。
このため,性別による固定的な役割分担意識にとらわれずに様々な活動に参画できるための意識づくり,企業・行政の分野における女性の登用や意思決定過程への女性の参画の促進,仕事と生活の調和がとれ,多様な働き方が可能となる環境づくりなどに取り組んでいく必要があります。
特に,女性の知恵や感覚を県政や社会の第一線に活かすことができるよう,県の審議会等において,職指定の委員を除き,半分を女性から登用します。また,男女の均等な雇用機会の確保に努めるとともに,結婚,出産,子育てを支援する体制づくりと併せて,女性がその能力やキャリアを生かした就業ができる環境の整備に努めます。
こうした取組を通じて,女性が豊かさや生きがいを実感し,また,家庭や企業,地域で敬意を持って遇される社会の実現に努めてまいります。
|
 |
産業廃棄物管理型処分場はなぜ必要なのですか。
また,なぜ薩摩川内市川永野地区が候補地となっているのですか。 |
 |
 |
鹿児島県には産業廃棄物管理型最終処分場は1箇所もなく,県内で発生している産業廃棄物は,宮崎県や熊本県などの処分場で処理されています。
循環型社会の形成や地域産業の振興等を図る上で,管理型最終処分場は必要不可欠な施設であり,一日も早く整備する必要があります。最新の技術によって安全性の高い全国でもモデルとなるような施設を,県が関与して早急に整備したいと考えています。
公共関与による管理型処分場の候補地については,市町村や企業等から寄せられた29箇所について,整備地の一般的要件である敷地面積や埋立容量,アクセスの利便性,用地の権利関係,法令上の規制の有無,地形・地質,周辺環境への影響などの調査などを行い,北薩地域で2箇所,県央地域で1箇所,大隅地域で1箇所の4箇所に絞り込み,更に検討を行い,昨年5月に,最終的に薩摩川内市川永野地区の採石場跡地を候補地として選定したところです。
同候補地は,
①埋立容量は50万~60万㎥を確保でき,水処理施設や防災調整池など必要 な施設の配置が可能な敷地面積が確保できること。
②西回り自動車道都(みやこ)インターから5㎞, 国道3号線から1.5㎞とアクセス がいいこと。
③周辺2㎞以内に活断層がないこと。
④ほとんどが企業の所有地であり,用地の確保が容易なこと。
⑤農振法や自然公園法などの法令による規制が少ないこと。
などの一般的な要件を満たしていることに加え,
①窪地という地形を生かして,廃棄物の埋立地を屋根で被覆することで,埋立 地から出る浸出水は,雨水と分けて処理することが可能となり,これにより処 理量が少量となることから,処理後は河川に放流せずに下水処理場へ搬送する ことが可能であること。
②屋根で被覆することにより,廃棄物の飛散や臭気の発生等が防止できること。
③ 当該地質が不透水性の岩盤であり,廃棄物処理法で定められた基準である二 重の遮水構造と併せて,浸出水の地下水への浸透を完全に防止できること。
など,これまで管理型処分場の整備に当たって,常に懸念されてきた問題に,ほぼ対応できると考えられたことから,最も適地であると判断し,候補地として選定したところです。
|
 |
情報社会においては,どこに住んでいても直ちに必要な情報が得られるようにすべきだと思いますが,県内は,離島も含めて,ブロードバンド化が進んでいないように思われます。
県として,どのような取組をしているのですか。 |
 |
 |
情報化の進む現代社会においては,家庭や学校でインターネットを活用したり,地域の特産品をインターネットを通じて全国に販売するなどインターネットの利用が進んでいますが,インターネットを自由に利用するためには,高速・大容量の通信基盤(ブロードバンド)が必要となっています。
ブロードバンドは地域間の情報通信格差を是正し,県民の利便性の向上や社会経済活動の活性化などに欠かせない社会基盤であり,県内の全ての地域で利用できるようにすべきであると考えています。また,国においても,平成18年1月に策定した「IT新改革戦略」で,平成22年度までに,全国のブロードバンドが使えない地域を解消することを政策目標として掲げています。
本県では,電気通信事業者による自主整備を基本に,サービスエリア拡大の要請を行ってきたところですが,本県におけるブロードバンドの状況は,離島が多いなど地理的な条件により整備費用が高額となることや,過疎のため利用者が少ないことなどから整備が進んでおらず,平成19年12月末現在の整備率は85.0%と,全国平均の95.8%より10パーセント以上低くなっています。
このため,平成17年度からブロードバンド整備に対する県の補助事業を実施しているところです。平成17・18年度は全くブロードバンドが整備されていない市町村の解消を目的とした「高速インターネット環境整備事業」により,県内8箇所(うち離島5箇所)でADSLの整備を行いました。
平成19年度からは,より細かい地域単位でのブロードバンド整備を目的とした「ブロードバンド・ゼロ地域解消促進事業」を実施し,平成19年度は県内8箇所(うち離島3箇所)でADSLの整備を行ったところであり,平成20年度についても,前年の2倍強の予算を計上して引き続きブロードバンド整備に取り組むこととしており,現在,市町村や電気通信事業者と調整を行っています。
今後も引き続き,地元市町村と連携しながら,県内でブロードバンドが利用できない地域の解消を進めていくこととしています。 |
 |
地方バス路線や肥薩おれんじ鉄道,離島航路など県民の足となっている公共交通機関は,いずれも赤字で経営は大変なようです。今後とも維持存続させることは可能でしょうか。
|
 |
 |
地域の公共交通機関につきましては,人口減少や少子高齢化,モータリゼーションの進展に伴う利用者の減少,需給調整規制の廃止による事業者間競争の激化,さらには燃料費等のコスト上昇等から,民間事業者のみによる維持・確保が非常に困難な状況となっているところです。
他方で,こうした地域の公共交通機関は,高齢者や学生といった交通弱者の移動手段のセーフティーネットとして,あるいは観光振興や地域の発展を支える基幹的交通手段として,さらには環境に優しい長距離物流ルートとして,極めて重要な役割を担っていることから,市町村や事業者の方々と連携して利便性の向上と利用促進に努めつつ,バス運行対策費補助,離島航路補助等の各種補助制度の活用等により,維持・確保に努めてきているところです。
これまで,
①地方バス路線については,平成18年度の岩崎グループのバス路線廃止に 伴い,市町村と連携して,バス系統の整理・統合を行い,廃止路線代替バス64系統を,新たに県単補助系統として追加しました。
②肥薩おれんじ鉄道については,平成20年3月には県都の鹿児島中央駅への直通運転を実現するとともに,今年度から,経営安定基金を活用した公的 支援を行うことを決定しました。
③海上交通においても,地元市町村など関係機関・団体との連携の下に,山川・根占航路や,志布志・大阪航路「さんふらわあ」の維持・存続を実現できました。
今後,財政的な制約がますます厳しくなる中,
①地域住民のマイレール,マイバス,マイシップ意識を高めていただき,積極的な利用など,公共交通機関の存続に向けた住民参画を促すこと。
②公共交通機関に係る情報提供の改善等を通じて,マイカー通勤からの転換や観光目的での利用等を図り,新たな需要を創出すること。
③運行ルート,ダイヤ等の見直しを進めるとともに,より効率的な運行形態への転換も積極的に進め,運行コストの削減を図ること。
④国や市町村とも適切な役割分担を図ること。
といった取り組みを進め,真に必要な地域の公共交通機関の維持・確保に努めていきたいと考えています。 |
 |
地域が元気になることが大事だと思います。
過疎化,高齢化が進む中で,夢や希望が持てるよう,
地域の活性化にどう取り組むつもりですか。 |
 |
 |
私は,平成16年7月の知事就任以来,「力みなぎる・かごしま」をつくることを県政の基本的な考え方として,私自身がトップリーダーとして一生懸命動くことにより,さまざまな分野が活性化してほしいという思いで,県政の推進に全力を傾注してきました。
「知事と語ろ会」などの機会に,それぞれの地域にお住まいの方々との直接対話を重ね,各地域の実情を十分に踏まえた県政の展開に心がけてきたところです。
また,私は,それぞれの地域において,県民の方々が,ふるさとで生き生きと暮らし,地域が自立していくことが,鹿児島県の発展そのものであると考えています。
本県においては,全国に先駆けて過疎化や高齢化などが進行しており,維持・存続が危ぶまれる集落もありますが,その対応を含め市町村が直面する課題について,県と市町村が協働してプロジェクト方式で検討・実施するなど,必要な支援を行います。また,奄美群島振興開発特別措置法の延長や新たな過疎法の制定に向けて,積極的に取り組みます。
また,地域特性や地域ニーズに即した総合的な行政を推進し,地域固有の課題解決や地域活性化に迅速かつ柔軟に取り組めるよう,地方振興局・支庁への権限委譲等を行うなど,機能強化を図ります。
さらに,これまで地域社会において重要な役割を担ってきた自治会など地域コミュニティの活動に加え,近年では,ボランティアやNPO,企業などといった個人や団体の社会貢献活動も活発になってきています。これらの多様な主体が地域社会の担い手となり,相互に連携・協力して地域の課題解決に取り組む「共生・協働の地域社会づくり」を引き続き推進し,地域の特性を生かした地域活性化策についての検討などを進めます。
|
|